大人の社会科「豊鹿嶋神社」見学
「大人の社会科」で豊鹿嶋神社を見学した。
見学前に蔵敷公民館で事前説明があり、豊鹿嶋神宮は、室町時代の建立で、都内に現存する最古の神社建築である。
文化的価値も高く「国宝級」とあったので期待が高まる。
以前お参りした、常陸の国にある総本社「鹿島神社」の赤い楼門や千木・鰹木をのせた本殿を思い出す。
まずは、社名標を見る。「郷社」とある。これは、明治に入り神社を等級化させた制度のなごりであり、戦後には廃止されている。
この部分をセメントで埋めている神社が多いが、ここはそのままになっている。
鳥居前に進む、花崗岩で作られた「新明鳥居」である。
「新明鳥居」は「明神鳥居」に比べ、華やかさはないが、素朴で、重みがあり私の好きな形である。
高さは5mほど。
鳥居は神社の内と外を分ける境に立てられるいわば結界であり、鳥居の内側は御神域(ごしんいき)になる。
本日は50名を超える参加者がぞろぞろと通り抜けるが、この流れに巻き込まれないようにしながら、端で一礼して中に入る。
石段を登ると広場に出る。右側には「手水舎(ちょうずや)」がある。水は古くからけがれを洗い流すものと考えられ、神にお参りする人はまず身のけがれを手水舎で落とすのだが‥‥‥、
すぐに説明が始まってしまったので、今日はやむなく省略させてもらった。
いよいよ拝殿に入る。神様にお尻を向けないように前向きのまま靴を脱ぐ。
本殿は鞘堂(さやどう)内に収められている。社殿は一般的な「一間社流れつくり」である。
目を屋根に向けると単に厚板を渡したように見える。
説明を聞くと、鞘堂なのでと‥‥‥?????
正面の彩色された蟇股(かえるまた)も場違い感がある。
後で、パンフレットを読むと後補とあるが、不自然さは否めない。
少し赤みを残した本殿の壁や脇障子は飾り気こそないが落ち着いた雰囲気を残しているのに、まったく残念である。
東村山の国宝「地蔵堂」は茅葺だったものを「杮葺き(こけらぶき)」に替えていたが、国宝になっている。
熊谷市妻沼の「歓喜院聖天堂」は、剥落した彩色を、建立当時のように蘇よみがえらせ、平成24年に熊谷市として、文化財保護法の制定以降初めての国宝指定がされた。
豊鹿嶋神社も、国宝を目指した修復が望まれる。
Si×2