戦争遺跡“旧日立航空機(株)変電所” ボランティアによる定期公開

 長年の懸念であった、桜ヶ丘の都立東大和南公園内に残る戦争遺跡“旧日立航空機(株)変電所”の定期公開が、郷土博物館所属の文化財ボランティアが中心となって、この4月からスタートした。

 IMG_④9769

外壁に残る生々しい銃弾の数々、公園の一角に建つこの建物は、知らない人が見れば異様に感じるかもしれない。あまりにも周囲の景観とはそぐわないからだ。

しかし、しかし給水塔が撤去された今、この建物はまさに数少ない「戦争の生き証人」なのだ。小学校の教科書にも紹介されており、東の変電所・西の原爆ドームとして貴重な文化財である。(1995年東大和市指定史跡に。)

 IMG_⑦9753

百聞は一見に如かず。普段は外部しか見られない変電所の内部を何度でも観て、触れて、そうして話を聞いて、少しでも歴史の現実を見つめなおすことにより、なお平和への願いを強くしていただきたい、との願いからボランティアの発案により、館の協力のもとに実現した事業である。

公開日は毎月の第2日曜日13:00~1600。ボランティアによる解説、DVD”我が街は戦場だった”の上映、を中心に雨天でも実施。今後は周辺の戦争関連のミニ探訪会や館内外でのイベントなども加えたいと考えている。更には公開日数も増やしていくように努力したい。

 

4月9日の定時公開初日。当日はテレビ取材もあり、デイリーニュースのトップで「月1でボランティアガイド開始」として、ボランティアによる公開という視点から紹介された。(写真は同番組から。)

  IMG_⑩9777

 文化財ボランティアは目下20人ほどで活動しているが、未だまだ足りない。目下の活動は、変電所及び吉岡邸(美術園)公開時の解説他での参加、企画展示への協力などを中心に行っているが、是非あなたにも加わって頂いて、市に残る様々な文化財などの発掘・調査・紹介に力を貸してほしい。