7月のことでした。
買い物から帰る途中、高い石垣の上に佇む2匹の子猫を発見。
近寄っても母猫らしき姿は見当たりません。
親とはぐれたなら空腹だろうと、買い物袋にあった缶詰をあげてみました。
暫くその姿を見ていると、目の前にお住いの女性が半泣きで近寄ってきて、『子猫を飼ってもらえませんか?』と。
「うちでは飼えないけどこのままでは可哀想だよね、保護して里親さんを探してあげたいね」ということでご近所の人達に声をかけ、捕獲に協力する仲間になって貰いました。
さっそく捕獲器なるものを借りてきて使い方を教わり、母猫は無事に捕獲。
子猫1匹は、たまたま通りがかった若者達が子猫の居る斜面の上に登って遊んだりチュールをあげたりして引っ掻かれながらも素手で捕獲。
もう1匹はとても警戒心の強い子で、仲間と夜の8時過ぎまで粘るが失敗。
その時10メートルくらい離れたところを歩いて森に入っていく闇に光る6個の目を(多分ハクビシンの親子 )を私は忘れることができません。
「守ってくれる母も無く、独りぼっちになった子猫は野生動物に食べられてしまうかもしれない・・・明日まで無事で居られるだろうか」と、まんじりともしない夜を過ごし、翌朝早くご飯を持って現場へ直行したところ・・・森から顔を出してくれたので一安心!
素手では捕獲できそうもないので、ここは捕獲器の出番!
しかし、入らず。
もう危険な夜を独りぼっちで過ごさせるわけにはいかない。一刻の猶予もないので夕方から仲間総出で捕獲大作戦を決行。
チュールを点々と撒いて私たちは隠れる→すると出てきて舐めた。
捕獲器が置いてある場所までこのチュールを撒いて誘導することに。
おやつで誘導する、名付けて『ヘンゼルとグレーテル作戦』
私たちは石垣の下に寝そべり、仲間の一人が手を伸ばしてスマホのカメラで子猫の動向をチェック!
程なくすると子猫がチュールを舐め出して…1回目は入らず、
その後も同じ事を繰り返した。
朝からほとんど食べていないのでお腹は空いているはず、
火傷しそうなほど熱いコンクリートに寝そべって待つ事30分ほど、
また出てきてチュールを舐め出し捕獲器の入口へ、
はやる気持ちを抑えて手は祈りのポーズ、
すると『ガチャン』と扉の閉まる音!
仲間と石垣を駆け上がり子猫が入っているのを確認して、布でしっかりと包んで縛って捕獲器を抱き抱えて・・・安堵感で涙が出た。
生きていてくれてありがとうと子猫にお礼を言って近所の預かり仲間のお宅に。
毎日、交替で子猫をお世話して1週間ほどで里親さんも決定♪
母猫も里親さんが見つかり、今はとても幸せな家猫生活を送っています。
余談ですが、母猫はまるで保護して欲しいと言わんばかりに捕獲器に自ら入ったのです。
移動する車内でも、預け先でも、里親さんのお宅でも一度も威嚇する事も無く穏やかな子。
成猫なので地域猫として見守ろうかと迷ったけれど、とても大人しく人慣れしていたので保護することにしました。
3匹とも終わってホッとしました。
捕獲を終えて残ったものは・・・30カ所以上の超痒い虫刺され跡と「森の蚊はヤバイ!」という教訓でした。(Gパンもなんの役にも立たず)