玉川上水駅周辺の風景36
ススキ(薄・芒)
「山は暮れて野は黄昏の薄哉」ー有名な蕪村の句である。
ススキは秋の七草(ハギ・クズ・ナデシコ・オミナエシ・フジバカマ・キキョウ) の一つ、
ススキは獣(けもの)の尻尾に似ていることから尾花(オバナ)とも呼ぶ。
「風に揺れる薄 ゆく人を招く女人の 袖のよう」の歌があり、
「袖振草」とも呼ばれる。
ボランティア花壇に植えられたススキが見頃、
しかし、ススキに関心をもって見る人は少ないようだ。
ススキは背が高いが、なんとなく暗く、淋しいイメージがある、
秋風に揺れる様は、どこか寂しく感傷的にさせられる。
もともと、ススキは万葉の時代から根づいた植物であった。
日本全国に分布し、日当たりの良い山野に生息している。
かつては「茅」(かや)と呼ばれ、
農家で茅葺(かやぶき)屋根の材料に用いたり、
家畜の餌として利用することが多かった。
そのため集落近くに、定期的に刈り入れをするススキの草原があり、
これを茅場(かやば)と呼んでいた。
現在では、そのような利用はされなくなり、多くは雑木林となってしまっている。
沖縄地方には、ススキの葉を環のように結んで魔除けとする風習があるらしい。
すすきの花言葉は「活力」、「生命力」、「勢力」という、
花言葉からすると、すすきを見たら「ファイト!」、「頑張るぞ!」といった、
元気がでるイメージをもってもよいのではと思ったりする、
ボランティア花壇の 地味なススキに根もとには
色とりどりジニアの花が咲いている。