長兵衛・忠兵衛・長忠兵衛
めじろとり
小学生高学年から中学生にかけて冬、朝早くから目白
とりに夢中になった。
朝、5時頃に家を出て風呂敷に包んだ囮(おとり)の
目白駕籠と鳥もちを抱え着ぶくれた服装で友達3~4人
で裏山へ出かける。
昭和25年、まだ終戦間がなく、暮らしも十分立ち直っ
てはいなっかた。子どもの遊び場と言えば野山を駆け
たり海遊びに日がな一日遊び呆けていた。
夜が明け始め、あたりが明るくなる頃、松の木やヤマ
モモの木に囮の駕籠を中心にして鳥もちの枝をメジロ
が入ってくる誘導線に沿ってセットする。
10メートルほど離れて鳥もちにメジロがとまるのを
見張る。囮の鳥が大声で仲間(飛んでる鳥)を呼び寄
せる。10羽ほどの群れが近くの木々に飛び込んくる。
チー、チー、ツイーツイーと囮の木に集まり始める。
胸が高鳴る。鳥もちの枝にとまる。それっと!ばかり
に走って鳥もちにかかった(とまった)鳥を鳥もちか
ら引き離す。
メスは逃がして、オスのみを用意した布袋に入れて家
に持ち帰る。
オスは羽根が緑で頭は、金色それに胸から腹にかけて
金色の筋が通っている。しかも、さえずりの声が高く
泣き続ける。”高音を切る”と言う。
さしこ(竹ひごで編んだ鳥かご)に入れて飼う。水と
餌の蒸したサツマイモを瀬戸の容器にいれる。
布袋から出してさしこに入れた鳥が慣れるまで風呂敷
を被せておく。他の鳥かごの鳥が鳴き出すとこの声に
つられて応えて鳴くようになる。慣れてきた証拠であ
る。
最高のなき声は、オス鳥の”高音をきる”と言って鳥が
さえずりを続けた後、高いアルトの声で長くさえずる
究極の鳴き声でキーくるチーくるピーくるを繰り返す。
「長平衛・忠平衛・長忠平衛」の聞き鳴きとはちょっ
と感じが違う。
めったにはこの高音をきるメジロには育てられない。
この高音を切る鳴き声を如何に長く続けさせるかを友
達と競い合うのである。
鳥獣保護法違反
先日、新聞に「無許可でメジロ飼育容疑」で書類送検
の載ってる記事を読んだ。警察官が、飼育している人
の近くを通りかかってメジロの鳴き声に気づき飼育が
発覚されたわけである。
鳥獣保護法は。2002年10月27日に制定、数種類の野鳥
が捕獲、飼育が禁止されている。その後、メジロは、一
家に1羽を飼育が許可された。しかし、その後、捕獲、
飼育も禁止された。
警察官にメジロの鳴き声を気づかれて鳥獣保護法違反
(捕獲禁止など)容疑で飼っていた人が書類送検され
た。と朝日や読売新聞に出た。
警察官に気づかれるほど、鳴き声が高音を切るほどさ
えずりが優れていたに違いない。それほど飼育が上手
な人だったのかと想像された。