戦災遺跡
男の正義感
髙三の百合は、担任教師と進路相談をしていた。
同席の予定である母親は、パート先から遅れて
来た。
教師は、進学を勧めていた。しかし、パートを
掛け持ちしていても母親一人の稼ぎでは進学は
無理であった。
この貧困の原因は、百合は、父親の所為だと思
っている。それは、川で溺れかかっている子ど
もを助けようとして自分が溺れて死んでしまっ
たからだ。
母親は、お父さんは正義感の強い人だったから
とかばう。
百合は、思う。その正義感が、家族を貧しくい
るんだと。
今上映中の「あの花が咲く丘で君とまた出会え
たら」の冒頭部分である。
戦災遺跡
東大和市都立南公園の一角、平和の広場に
旧日立航空機株式会社変電所(戦災変電所)が
ある。
外壁に残るー弾痕が物語る凄まじい空襲の記憶
ーが戦災変電所に刻まれている。
このように後世に平和が続くことを願う戦災に
伴う遺跡とか記念館等が全国に沢山ある。
その一つに鹿児島県北九州市知覧町に
「知覧特攻平和会館 | TOPページ (chiran-tokkou.jp)」
がある。
そこには、海に散っていった神風特攻隊員1036
人(内知覧402名)の戦死者が残していった愛す
る家族や恋人に宛てた遺書や恋文が展示されて
いる。
タイムスリップした百合
母親と進路について言い争って雨の中、家を飛び
出して彷徨い歩いて疲れた百合は、崖に開いた古
い防空壕に入って雨宿りする。休んでいる内に居
眠りをしていた。
気がつくと今いる所は、昭和20年戦争が激しさを
増して沖縄を攻める米軍の戦艦めがけて若者が飛
行機で突入する特攻隊の町、知覧であった。
特攻隊員の恋人
百合は、特攻隊員専用の食堂で住み込みで働いて
いる。そこにやってくる兵隊の一人彰と恋仲とな
る。
ある日、ユリの花が一面に咲いてる丘でデートを
する。
そんな日々も終わりを告げ、戦争の模様は激しさ
を増していき恋人の彰にも突撃出発の命令が下る。
神風特攻隊、彰は百合に笑顔で出撃していく。
これも男の正義感か
特攻隊員の中に逃亡を企てた男に対して戦友達は、
帝国軍人として恥ずべきこと、国のため天皇陛下
のため、家族を守るために戦うべきだと罵倒揶揄
するが、彼の意思は、固かった。
戦友達は、彼を見逃す。
百合も彰に二人で逃亡をすることを誘おうと思う。
しかし、彰の不動の決意を止められず、彼は、空に
飛び立っていった。
”命を賭けてお守りします”
なんのために、どうして、大事なのは自分の命なの
に。
男でしょう!勇気を出して!促す人もいる。
正義感は立派なことでもある。
特攻隊資料館
百合は、社会科見学で特攻隊資料館を訪れて特攻
隊員たちが残した遺書や手紙を見て涙を流しなが
ら悲しみに胸が塞がる思いをする。
百合は、彰の遺書を見つける。「百合へ」”心から
君を愛してる”と