箱根や八ヶ岳が噴火した時の灰が積もっている(多摩ローム)
「ナニ見つけてるんですか?」
「ここにも、埋蔵金伝承があるんですか?」
多摩湖自転車道の鹿島休憩所
休んでいた人が不思議そうに集まってきます。
「豊鹿島神社奥の宮の標識ですね・・・」
「古い神社なんですか?」
「その遺跡があるんですか?」
いろいろ質問が飛び交います。
「この地面の少し下層で、狭山丘陵をつくった地層が見えるんです。それが、ここではどうなっているのか知りたいんです」
この地層、箱根火山や八ヶ岳が噴火した時の灰が降り積もって出来たとされます。
多摩ロームと名付けられています。
最近の研究では現在の富士山の基になった小御岳(こみたけ)火山との関わりが指摘されています。
30万年~40万年前になります。
狭山丘陵は古い多摩川が運んできた石ころの上に、この古い富士山の噴火した灰が積もって出来たことになります。
表土から武蔵野ロームは積リ方は一定していません。
多摩ローム、芋窪礫層もその厚さは様々です。
村山貯水池内では多摩ロームと芋窪礫層の積リ方を見ることが出来ます。
鹿島台では、多摩ロームはご覧の箇所で全面的に積もっています。
多摩ロームは加治丘陵、草花丘陵、多摩丘陵でも見られます。
出来た時期が同じ兄弟丘陵であることがわかります。
鹿島台からは遙かに多摩丘陵を見ることが出来ます。
この間を古多摩川が削りながら動いて行ったことが一目でわかります。
この台地には、旧石器人から縄文人まで多くの遺跡があります。多摩丘陵でも同じです。
その人達はどんな気持ちでこの景観を見ていたんでしょうか。
(2017.09.10.記 文責・安島喜一)