鳥と子供たち(モニュメント1)
鳥と子供たち(モニュメント1)
東大和市駅の北側道路沿いの一隅(桜街道の北側の広場)です。
駅前だけに人通りも多く、駅広への交差点の脇でもあることから、チョットしたたまり場になっています。
そこに、この像(モニュメント)があります。少年と少女が手をつないで、それぞれの片手には鳩を乗せています。
「東大和市もだいぶ垢抜(あかぬけ)けしてきましたね」
「もうひとつ、しゃっきりしなかったんですが・・・」
「素朴で、確かに都市の像ですね」
「でも、何を意味してるんでしょう・・・?」
ウオークでも、文学・歴史散歩でも、集まって出かけようとする前に必ずと云ってよいほど交わされる会話です。
「読んでみましょうか」
と台の裏側の作品紹介を案内します。
「元気に遊ぶ、無邪気(むじゃき)な子供たち。その姿は、いつの時代にも平和な日々を象徴しています。
陽だまりの中のこの風景に、子供たちと共に今を生きる大人たちの願いである平和で安らかな未来への夢を託(たく)します。平成8年3月設置」
とあります。平和で、誰もが健康な都市の宣言を感じます。歴史を辿ると
①この地域は昭和13年(1938)、東京瓦斯電気工業(株)が立地し、翌年、日立航空機(株)とかわり、やがて軍需工場となって、昭和20年(1945)、米軍の爆撃を受け、壊滅状況になった地域の一角です。
②一方で、狭山丘陵の麓に本拠を持つ古来からの「本村」(ほんそん)と、全く人家のない一面の畑を隔てて、新たに建設された工場群と社宅群による「南町」(みなみまち)が成立した場所でした。
それが、現在は一つの都市として8万人を超える「市」を形成し、この地は、市の表玄関の一つとして交通機関を含め、主要な核になっています。
やがて、東大和市も人口減を迎え、圧倒的に高齢者が多く働き盛りと子どもが少ない逆三角形の人口構成をとるいシルバー都市になることが予測されて居ます。
「元気に遊ぶ、無邪気な子供達」と健康長寿のシルバーが自らのまちづくりを主体となって自治をすることが課題となる時期を迎えました。「平和で安らかな未来への夢」の実現はこれからです。
ということから
「このモニュメントは市役所の北口玄関の近くに設けられている「啓示」と対になって、元気と勇気を語りかけているんだと思います」
とお話ししています。
現在、モニュメントは市内に27の像が設けられています。この1番から順に歩くと、東大和市のさまざまな物語を紡ぎながら全市を回れます。ここに1番があるのは、その出発点としての意味を持たせているのでしょうか。
(2019.02.09.記 文責・安島喜一)