どうにかして繋げたい(藤兵衛さんと狼)
どうにかして繋げたい(藤兵衛さんと狼)
上北台公民館の北側にある中北台公園の一角です。幼稚園児の賑やかな声の向こうに、ゲートボール帰りのシニアを囲んで子供達が集まっています。
目の前に、狐の顔がおじいさんの顔と向かい合った、藤兵衛さんと狼のモニュメントの前です。子供たちに何かと聞かれているのでしょう、シニアの皆さんは困り顔。
「おじいさんに聞いてみよう・・・」
と手招かれて近づくと、さっそく
「これって ナニ?」
「藤兵衛さんと狼って云う東大和市に伝わる昔話のモニュメントだよ」
「ここに狼が居たの・・?」
「おじいさんを喰っちゃたの?」
「でも、おじいさん笑ってるよ。なぜ?」
どっと質問の集中です。
村山貯水池、知ってるでしょ、その石川ってところに、藤兵衛さんという木こりさんがいたんだよ。毎日、笠松坂を通って仕事場に通っていたんだってさ。ある朝、途中で狼に出会った。何だか苦しそうに近づいてきたので、よく見ると、喉に骨が刺っている。藤兵衛さんは、怖かったけど、骨をとってあげたんだ。そしたら、その狼が朝晩、送り迎えをしてくれるようになったんだって。よっぽど嬉しかったんだろうね。とかいつまんで、よもやま話を話しました。
「いい狼だね」」
「どうやってお話し、したのかなー」
「だけど、貯水池の近くでしょう。ずいぶん遠いね。なんでここに、あるの?」
「そこへ行ってみたいな」
たしかに、モニュメントのある場所と昔話の里は位置が違うし、相当に距離があります。そして、話が実際に伝えられる芋窪と武蔵村山市の堺にある笠松坂には、モニュメントは置かれて居ません。
でも、上北台にモニュメントがあることは、その話がわかれば、「団地の上北台」と「狭山丘陵の笠松坂」は一挙に距離を縮めます。素朴な歴史的背景と地域のつながりが一つになります。ところが、子供たちには、モニュメントを見て何かと想像は出来ても、すぐには、話がわかりません。
もう少し時代が進むと、モニュメントのどこかで、ボタンを押すと、笠松坂の様子が映し出され、藤兵衛さんと狼のお話が流れる装置も出来そうです。大いに期待されます。それまで、何か方法がないでしょうか。
当面、こんなことで代替えできないでしょうか。スマホ、タブレット、パソコン・・・なんでもいいです。モニュメントに刻まれている「藤兵衛さんと狼」を「検索」に入れて探します。すると、芋窪の笠松坂か上北台のモニュメントがパット出て来て、お互いに行き来できる仕組みです。
まだ、ほんとのよちよちですが、試しを続けています。何せ、一人では無理なこと、ご協力をお願いします。「ネット・まちなか博物館」とでも名付けて、実現できればと夢を膨らませます。
(2016.12.19.記「小さな小さな「まちなか博物館」への思い」を書き直しました。(2019.10.25.記)