火をふところに入れた法印さん(モニュメント)
西武多摩湖線・武蔵大和駅から東大和市方面に向かって最初の広い道(やまもも通り)と交差する武蔵大和駅西交差点を南(新青梅街道、小平市方面)に進みます。
現在は工事が終わり景観が異なりますのでご注意下さい。
いずれ画像は新らしいものに交換します。
250㍍ほど先の左側に「清水集会所」があります。
その入り口に置かれているのが市の設置したモニュメント「火をふところに入れた法印さん」です。
「このお爺いさん何してるの」
「おててに持ってるの何だろう」
「うしろで、なんだかビックリしてるよ」
子供さんに聞かれてママもパパも困り顔です。横に、次の説明版があります。
(作品紹介)
場 所:東大和市清水集会所
設置日:平成7年3月
材 質:御影石
サイズ:H1400×W1000×D1000センチメートル
江戸時代末期のことですが、清水に持宝院(じほういん)という修験(しゅげん)の法印(ほういん)さんが居ました。
一人の馬方が酒に酔って悪態(あくたい)をついてからんできました。相手の男は、「酒の肴(さかな)に」と言って、真っ赤におこった炭火(おき)を火箸(ひばし)にはさんで法印に差し出しました。持宝院は少しも騒がず、そのまま懐に入れてしまいました。お返しにと同じように炭火を差し出しました。こればかりは、普通の人に受けられるものではなく、相手は目を白黒させて謝って(あやまって)しまいました。
-東大和のよもやまばなしから-
「よくわかんない」
「お手々に持ってるのは火?」
「だったら、ヤケドしちゃうじゃない」
臨時解説員になります。
これはたとえ話なんだよ。もう昔だけど、この近くにお坊さんがいたんだ。そのお坊さんは、少しくらい熱くても、火を握っても大丈夫なように、いっぱい勉強と努力をしたんだって。
この辺のお百姓さんは、今の東京駅に近いところに住んでる人々に頼まれて、薪や炭を馬に乗せて運んだんだ。その運び賃で肥料やお米を買ったり、税金を払ったんだ。運ぶ途中、新宿を通るだろう。そこには、「俺たちの所を通って稼ぐんだから、稼いだ一部を置いて行け」って要求する人達が居たんだ。その人達に、「これは、私たちの生活の大事な一部なんです。だから払えません」って、はっきり断る人が必要だった。その役をこのお坊さんがしたんだよ。
お坊さんは修行していたから、少しくらい脅かされたって大丈夫。堂々として逆に相手より強かったから、村の人たちは荷物を運ぶとき、一緒に行って貰ったんだ。後の方の二人は、そのお坊さんの堂々としたやり方に、「これは、タマゲタ」って驚いてるんだ。
詳しいことは、よもやま話の「火をふところに入れた法印さん」をご覧下さい。
(2017.11.16.記)(27)
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