円乗院 3-1 宝篋印塔
円乗院 3-1 宝篋印塔(ほうきょういんとう)
円乗院の鐘楼門をくぐり参道を直進するとお釈迦様の像と並んで右側に宝篋印塔(ほうきょういんとう)があります。この塔について、円乗院では次のように説明をしています。
「第三十四世法印兊重(文化 14年(1817 )8月 16日示寂)は、天下泰平万民和楽祈願並追善供養のために宝筐印塔の建立を発願したが、果たさず示寂したので後住の明舜法印(明治 4年(1871 )10月 11日示寂)が先住の志を承けて、総檀家中と念仏女講中の助力によって文政 4年(1821 )に塔の造立を完成しました。」(略縁起)
総高450㌢と東大和市内では最も高い宝篋印塔です。市内で最古は芋窪にある寛永8年(1631)の墳墓形式の塔です。
施主総檀家中が力強い
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この宝篋印塔について『東大和市生活文化財調査概要報告書』(1971年発行)では次のように全文字を紹介します。
「円乗院に現存の宝筐印塔は、塔の正面に見事な筆致で書いた宝筐印陀羅尼経の種子字『シッチリヤ』を刻み左右の両側面にかけて『若有有情能於 此塔一香一花 礼拝供養八十 億劫生死重罪 一時消滅速証 菩提或一礼拝 或一石饒塞地 獄門開菩提路』と彫りつけ、裏面に『当寺三十四世兊重和尚 欲造此塔未果没余先師 之継志造之実文政四辛已十二月戊寅也 三十五葉 法印明舜 天下泰平万方和楽 為喜捨善男女二世安楽也』と刻んである。」(p97)としています。
建立者が「総檀家中」となっているので、村山貯水池に沈んだ地域から現在の狭山地域に到る地域の村人が総意で、また、女念仏講の人々が力を合わせて建立に当たったことが偲ばれます。
(2018.04.06.記 文責・安島喜一)
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