雲性寺(奈良橋庚申塚)の馬頭観音 

 奈良橋雲性寺に庚申塔と並んで馬頭観音がまつられています。もとは、奈良橋の庚申塚にまつられていましたが、旧江戸街道の拡張のため奈良橋雲性寺にうつされました。

庚申塚から移られた馬頭観音、庚申様 クリックで大

 三面六臂(さんめんろくひ)の馬頭観音坐像が見事に浮彫にされ、文字もしっかりしていることから「庚申塚の馬頭様」として親しまれています。建立された寛政9年(1797)の頃は、年貢を納めるため江戸市中へ馬の背に炭や薪などを積んで運び、駄賃を稼ぐ「農間稼ぎ」が盛んに行われた時期でした。道中安全と大切な馬の供養のため街道の主要点に馬頭観世音がまつられました。

奈良橋庚申塚にまつられていた馬頭観世音 
クリックで大

 高さ98㌢、幅39.5㌢、奥行き30㌢ 角柱塔身
 正面 三面六臂馬頭観音坐像 文字「馬頭観世音」
 右側面に「寛政九丁巳二月吉祥日」(1797)
 左側面には「武州多摩郡山口領奈良橋村
    施主 惣村中
    世話人 石川定右衛門
  の銘を刻みます。

三面六臂馬頭観音坐像(さんめんろくひ)

 一番上の中央に馬の顔が浮彫に戴かれます。
 顔が3面、手が6本ある座った馬頭観音様です。
 左右の第一手は根本印、右第2手は斧、第3手は鉾
 左第2手は輪棒 第3手は輪
 を持っています。
 同じ姿の馬頭様は蓮華寺にまつられています。
 馬頭観音の姿、まつった背景については「東大和市の馬頭観音」に記しました。

左側面

左側面 クリックで大

 左側面には
   武州多摩郡山口領奈良橋村
    施主 惣村中
    世話人 石川定右衛門
 と、奈良橋村の村人が建立し、世話人は石川定右衛門と刻まれます。

右側面

右側面 クリックで大

  右側面には
  寛政九丁巳二月吉祥日」(1797)
 と建立の年号が彫られています。

馬頭観音の旧地

奈良橋庚申塚現況 クリックで大

 この馬頭観音は現在の新青梅街道と青梅街道が交差する「奈良橋庚申塚」交差点の角にあった庚申塚の上にまつられていました。
 昭和40年(1965)代に旧江戸街道が拡幅され、新青梅街道となり、庚申塚が削られたため、雲性寺にうつされました。それらについては「奈良橋庚申塚」に記しました。

 (2019.08.06.記 文責・安島)

 奈良橋庚申塚

 石造物

 東大和市の馬頭観音

 馬頭観音をまつった背景

 蓮華寺の馬頭観音

 四街道の馬頭観音