享保9年(1724)六十六部供養塔 清水観音堂前
享保9年(1724)六十六部供養塔 清水観音堂前
清水観音堂の道路側に重厚な塔がまつられています。名前が長い、
大乗妙典六十六部日本廻国供養塔(だいじょうみょうてんろくじゅうろくぶ)です。
道路側に四つの碑があります。その中で、ただ一つ、蓋を付けている碑です。
正面
全面に文字が彫られています。
文字は光線が斜めに当たる時刻に比較的良く読めます。
施主 清水村
武州多摩郡清水村
俗名者 野口助三郎
法 享保九年甲辰稔十月吉祥日
仏 奉納大乗妙典日本回国六十六部供養塔
僧
法名者 本願了誓
導師野口村金剛山正福寺禅寺現住安児守穏代
近辺村中男女助援衆
建立
・享保9年(1724)
・施主は清水村で、
・野口助三郎が
・正福寺(東村山市)の住職の主導のもとに
・近所の村の村人の援助を得て
建てられたことがわかります。
方法は
・大乗妙典(妙法蓮華経)を持って
・村や周辺の村々、自分や身内を含め
・天候安定、農作物豊作、健康、・・・、天下太平、国土安穏を願って
・当時の日本全国(六十六国)を
・廻って祈願して
・無事、成就した。
とするものです。
左・右面
蓮の花が浮き彫りになっています。
文字は彫られていません。
塔身高 90㌢
幅 34×25㌢
東大和市内には9基の六十六部供養塔が残されています。
享保年代4、宝暦1、明和1、天明1、天保1、年代不明1で、多くが1700年代の建立です。
この時期、東大和市域はどんな時代であったのかについては別に記します。
(2021.07.08.記 文責・安島)